三権分立を理解しない高島市長を追及、市民いじめの「行革」やめよ
日本共産党の倉元達朗市議は、2016年10月20日、福岡市議会の2015年度決算特別委員会で総会質疑に立ち、職員懲戒免職をめぐる最高裁判決に対する市長の態度、「行財政改革」についてとりあげました。
高島市長は酒気帯び運転をした職員を懲戒免職し裁判になりましたが、免職処分を取り消す最高裁判決が下り、市の敗訴が確定。ところが市長はこの判決について記者会見で「誤ったメッセージ」などと述べたと報道されました。
倉元市議は、判決が同職員の飲酒運転について「責任非難の程度は決して軽くない」と重大視していることを紹介しつつ、市長が状況や態度などを考慮せず一律に懲戒免職としたのが「社会観念上著しく妥当性を欠いて裁量権の範囲を逸脱した違法」と断じられたことを指摘。飲酒運転根絶キャンペーンと、市長による解雇権の濫用を混同させるなとただしました。
ところが高島市長は「原則免職という方針は変えない」などと答弁し、最高裁判決に従わない姿勢をあらわに。倉元市議は、「市長は立法・行政・司法が互いに抑制・均衡をはかるという憲法の三権分立を理解していない」として、独裁政治につながると厳しく批判。「一律懲戒免職というやり方を見直せ」と迫りました。
倉元市議は、市長のすすめる「行財政改革」についても質問しました。
「生活保護の適正化」の名で、現場では無理な就労指導が横行しており、「就労支援」を受けた受給者の中で給料が保護費を上回り、保護から抜けられた人は就労指導者数のうち7%しかいないことが質問で明らかになりました。また、「病院を変えろ、行く回数を減らせ」「後発薬を使え」など、専門知識もないケースワーカーが介入して受給者の人権を侵している実態も告発。こうした「適正化」をやめるよう求めました。また、保護世帯への下水道料金の減免復活も要求しました。
子どもたちに対しては、就学援助の基準改悪で1100人も認定者が減り、8399万円の削減影響が出ていることが質問で判明。また、学校ごとに配置されていた用務員を「拠点校」のみに削減した結果、112校で配置がなくなったこともわかりました。すばやい修繕がされず、教員の負担も増えています。
倉元市議は、市が扶助費の伸びを敵視していることを指摘し、「行革」などと言って教育・福祉の予算を抑え、「天神ビッグバン」や「ウォーターフロント」再整備など、むだな大型開発の推進に回そうとしていることを批判。「大型開発優先の市政ではなく、暮らし・福祉・教育が優先される市政に転換を」と求めましたが、市長は「総合計画」にもとづくこれまでの路線を「しっかり取り組む」などと答え、無反省な姿勢を示しました。
質問の中で倉元市議は校舎校地等維持補修費が伸びていないために、市内の学校の老朽化などが放置されている実態を、市民団体とともに取り組んできた施設調査「学校ウォッチング」をもとに告発(下記)。同予算の抜本増と、問題箇所の緊急の修繕を求めました。教育長は修繕について対応していることを言明しました。
- 運動場近くのトイレの排水枡の蓋が2年に1回ふきあがり、汚物が辺りに散らばる。
- 体育館ステージの床下がシロアリ被害に。
- 窓に網戸がなく羽虫が大量に教室に侵入。殺虫剤を使うと気分が悪くなる生徒も。