保育園に入れない子どもをなくせ、敬老金廃止やめよ
日本共産党の倉元達朗市議は、2017年3月23日、条例予算特別委員会の総括質疑で、保育園待機児、敬老金廃止、市民いじめの「プラン」案の問題について取り上げ、市長をただしました。
新年度にむけて福岡市内で1500人もの子どもが保育園に入れない事態になっています。ところが、安倍政権と高島市政は、認可保育園の抜本増ではなく、「多様な手法」という看板のもと詰め込みや規制緩和でしのごうとしています。
その目玉にされているのが企業主導型保育。市内で27カ所開設されようとしています。質疑の中で、職員の半分は保育士資格が不要とされ、監査も認可園より緩い実態が明らかとなり、認可保育園よりも質の低下が心配されることがわかりました。
保育士不足についても、こども未来局長は保育士の求人と求職のミスマッチがあたかも原因であるかのように答弁。倉元市議はその認識を厳しく批判し、保育士が専門職であるにもかかわらず他の職種よりも月収で11万円も低い劣悪な処遇になっている事実をつきつけました。倉元市議は保育士に対し最大8万2000円の家賃補助をしている世田谷区の例を紹介し、本市でも独自の処遇改善策を強めるよう求めました。
市長は保育所に入れない問題について「過去最大の整備をした」などと開き直りましたが、倉元市議は認可保育園が足りずに、小規模保育所に預けることになった母親の事例を紹介。城南区から地下鉄で6駅離れた早良区の施設に預け、薬院駅(中央区)で乗り換え、となりの春日市の職場まで出勤するという大変さをとりあげ、「こんな不安を解消できないのか。認可保育園に申し込みすらできない状況を変えられないのか」と批判しました。その上で、規制緩和ではなく認可保育園の抜本増を求めました。
高島市政は、新年度に高齢者施策の切り捨てをねらうとともに、「政策推進プラン」「行政運営プラン」「財政運営プラン」などの市民いじめ計画の原案を示しています。
市長が新年度は敬老金の廃止を提案し、今後の「プラン」では高齢者乗車券の縮小、公園・市民センターの駐車場料金の値上げ、生活保護世帯の病院通いや服薬へのしめつけなどを計画していることを、倉元市議は質問を通じて明らかにしました。
他方で、人工島には湯水のように税金を投入。「住宅市街地総合整備事業(住市総)」の名前で、大手住宅会社のマンション建設に補助金をつけていますが、285戸の分譲住宅に12億円も補助金をつけるなど、今後も含めて160億円もの税金がつぎ込まれようとしており、その一方で高島市長は低所得者への家賃補助を頑なに拒んでいます。倉元市議がこうした事態について「あまりに不公平ではないか」と追及すると、住宅都市局長は「良質な住宅供給が必要」などと人工島優先を合理化しました。
また、「持続可能な制度にする」などと称して2億円の敬老金を廃止することについて高齢者を敬う気持ちがないと批判。その一方で、数分の時間短縮のために福岡空港への高速道路延伸には500億円もつぎ込むことを決めたり、「天神ビッグバン」や「ウォーターフロントネクスト」などの大型開発は事業費が軒並み「算定できない」にもかかわらず、市長が鳴り物入りですすめている実態を暴露。
倉元市議は敬老金廃止を撤回し、市民いじめのプランを見直すとともに、ムダな大型プロジェクトにメスを入れて市民の暮らしを優先する市政に転換するよう市長に求めましたが、市長は「プランを策定し一体的に進める」などと無反省な推進姿勢を示しました。