倉元達郎 日本共産党福岡市議会議員

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議会報告

予算案組替え動議の提案理由説明

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私は日本共産党市議団を代表して、「議案第25号令和2年度一般会計予算案の組み替えを求める動議」について、その提案理由の説明を行います。

日本経済はいま、消費税大増税による打撃に、新型コロナウイルス感染症による打撃が加わって、深刻な大不況に陥りつつあります。

昨年10月から12月期のGDPは、年率換算でマイナス7.1%となりましたが、これは新型コロナウイルスの影響が出る前の数値であり、今年に入ってから景気がさらに深刻な落ち込みを示していることは、各種の指標からも明らかです。

さらに重大なことは、新型コロナウイルスの打撃が世界各国に及び、世界経済が重大な危機に直面していることです。しかもリーマン・ショックの時と違い、金融面だけでなく、実体経済そのものの深刻な後退の危機が起こっております。

髙島市長の編成した2020年度予算案は1月に骨格を固め2月中旬に発表されたものであり、こうした未曾有ともいえる危機に対応したものではありません。

典型的なのは、外部からの大量の呼び込みを前提とするインバウンド推進の予算項目です。そもそもクルーズ船の寄港回数は3年連続で減少し、港別の寄港回数では首位から陥落してしまいました。福岡市での国際会議開催件数も2016年をピークに減り続け、博多港・福岡空港における外国人入国者数については、日韓関係の悪化もあって2019年は前年から1割以上割り込みました。これらはいずれも新型コロナウイルスの影響が出る、はるか前の数字です。ここにその劇的な影響が加わり、収束がいつになるか、誰も全く見通せない状況です。

他方で、新型コロナウイルスの感染対策のための予算項目はほとんど含まれておりません。「感染症対策」として計上されている事業費は通常の予防接種などの予算が大半で、他の感染症対策の中にあわててくっつけたように「新型コロナウイルス」の名前が入っている「健康危機管理対策」事業はわずか100万円しかありません。市は「これで十分」「あとは予備費で対応する」などと言い訳していますが、パンデミックが起きているのに、まじめに感染拡大防止に取り組もうとしているのかと市民の不信を引き起こしかねない予算規模と言わねばなりません。

これに加えて、学校の臨時休業やイベントの自粛要請によって引き起こされている市民の暮らしや中小業者の営業を防衛するための予算、そして、スパイラル状に悪化していく経済の危機に対し地域経済を元気づける特別の対策は全く含まれておりません。

ドイツのメルケル首相が「第二次世界大戦以来の事態だ」と訴えるほど深刻な危機が今そこに迫っているのに、従来通りの発想で漫然と組んだ予算案に指一本触れないなどということがあっていいのでしょうか。市長は著作の中で「大切なことは、スピーディーかつ積極的に有事対応すること」「有事の際には必要なスピード感ある判断には責任が伴います」「責任をとれる政治家が迅速に決断することが不可欠なのです」とおっしゃっていますが、どうやらそれは言葉だけだったようです。

市長が必要な手立てを打とうとしない今こそ、感染拡大防止によって市民の命と健康を守ることに最大の力をそそぎつつ、現下の経済危機からどうやって市民生活を防衛していくか、その立場で予算案と施策を厳しくチェックすることが、我々議会には求められているのであります。

第一に、検査・相談体制の強化、自粛要請や学校臨時休業にともなって仕事・収入を奪われた人への支援充実など、新型コロナウイルスの影響から緊急に市民生活を防衛するあらゆる手だてをとるべきです。

国の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議は3月19日の「現状分析・提言」において、今後「爆発的な感染拡大を伴う大規模流行につながりかねない」リスクがあると警告して、それを防ぐ戦略の第一の柱に、クラスター対策、すなわち患者集団の早期発見・早期対応の抜本的強化を掲げました。ところが「保健所における労務負担が過重になっており、クラスター対策に人員を割けない」と同会議は指摘しており、「保健所が大規模なクラスター対策に専念できる人員と予算の投入」を政府と自治体に提言しています。検査・相談体制の抜本的な強化は、待ったなしであります。

また、政府などの自粛要請によってイベントのキャンセルが相次ぎ、自営業者やフリーランスは仕事や収入が絶たれる崖っぷちに追い込まれています。私どもがお話をうかがったライブハウスは中止・延期が8件になり、売上は半減しました。「来月もこれ以上この状態が続いたら見通しが持てなくなる」と話しておられました。また、お話を聞いた別の児童劇団はこの3月、80件の公演が予定されていましたが、65件が延期・中止となっています。こうした事態に対して、補正予算を組むまで悠長に待つことは到底できるものではなく、急いで支援の手立てを取ることがまさに求められております。

第二に、市内中小企業への支援充実、国民健康保険料や市税の猶予・減免、消費税減税の国への要求など、経済危機から市民生活を守るべきです。

今回の事態を受けて中小企業の資金繰りを支援する制度融資の相談や利用が激増していますが、当事者からは「先が見通せない中で利率がまだ高い」「返済期間が変わらないなら、期間の終わりになるほど返すのがきつくなるだけだ」という声が寄せられており、無利子の融資を思い切って広げるとともに、返済期間も延長することが必要です。さらに小さな業者からは「借金をしても返せない。直接支援がほしい」という切実な声が上がっており、中小企業振興条例における「小規模企業者への配慮」を定めた条項を生かして、市としてこの声に応える手立てを直ちに検討すべきであります。

特に、中小業者やフリーランスなどは国民健康保険に加入しており、本市の重くて過酷な保険料は大変な負担になっています。現状でも前年に比べて所得が減った場合は一定の減免がありますが、所得が3割減らないと受けられないという厳しい要件があり、減免幅も大きくありません。本市の国保条例第15条を活用して災害時に準じる被害が加入者全体に生じているとみなして、いっそう積極的な国保料の緊急減免を行うべきであります。

また、現下の大不況の原因をつくったのは消費税増税であり、これを緊急に5%に減税することは、消費を下支えし、国民の所得を増やし、低所得者と中間層への力強い支援策となります。政治がこの経済危機に立ち向かう強い姿勢を示すうえでも、最も有効な対策であります。消費税を大幅に減税することを、市を挙げて国に強く迫ることが必要です。

第三に、先ほども述べたように、新型コロナウイルスのパンデミックや経済危機を考慮せず、宿泊税などを盛り込んでいるインバウンド推進施策などの経費を見直すことが求められております。

インバウンド関連の事業だけでなく、ウォーターフロント再整備の全体や、「天神ビッグバン」「博多コネクティッド」、人工島・空港への高速道路建設など、外からの呼び込みや人の往来による「賑わい創出」をあてにした巨大開発は、その前提が崩れつつあり、抜本的な見直しが欠かせません。

先日、本特別委員会総会において、わが党以外の議員からも「市長は国にはあれこれ注文をつけているが、肝心の、自分が責任を持っている市政ではどうなのか」という厳しい意見が出されておりました。かつてない危機に際して市長の予算案を見直すことは、与野党を超えた課題となっているのであります。そうした中で、以上に述べてまいりました、一般会計予算案の組替えの方向は、立場の違いを超えて一致できるものであると確信しております。

議員各位のご賛同をよろしくお願いいたします。

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