髙島市長における3期12年が何をもたらしたのか
2022年10月6日、日本共産党の倉元達朗市議は、2021年度決算特別委員会の総会質疑で、髙島市長における3期12年が何をもたらしたのか、この市政が今後続くことになればどうなるのかについて検証し、大型開発やインバウンド推進を改め、中小企業を大切にし、市民の暮らしが優先される市政に変えるよう求めました。
規制緩和によって大量のビルを建て替える「天神ビッグバン」は2021年度、44億円もの税金が投入されました。市長は自らの著作で「行政のお金を使わずとも、民間の力で再開発を進めることが可能」と述べていましたが、全然そうなってはいません。倉元市議はこのことを指摘し、今後、コロナをきっかけにオフィスビル需要が減る中で、オフィスビルを大量につくるやり方は時代遅れであり、「天神ビッグバン」は中止すべきだと市長に迫りました。また、これまで売れない人工島の土地を売るためのプレゼントであった「立地交付金」について、人工島の土地処分の見通しがつくなかで、新たに「天神ビッグバン」などの再開発事業を救済するための制度拡充を狙っていることを暴露。「『立地交付金』の大幅な拡充をしなければならないくらい、福岡市は企業にとって魅力がない都市なのか?」と問い、新たな税金投入はやめよと迫りました。しかし、市長はあくまで「天神ビッグバン」に固執する態度をやめませんでした。
市長が「観光は1丁目1番地の重要施策」だと推進してきたインバウンド(訪日外国人旅行)政策が破たんしています。コロナ禍のもとで外国クルーズ船は全く来なくなりましたが、福岡市はクルーズ船受け入れの為の施設に、これまで56億円以上の税金を投入。今後もさらに巨額の事業費が見込まれています。さらには当初2021年に開催予定だった世界水泳が2年先伸ばしとなっていますが、ここにも多額の税金が投入されています。倉元市議は、どれだけ人をその都市に呼び込むかという時代遅れの政策に固執するのはやめて、インバウンド政策は改めるべきだと質しました。市長は「選ばれる都市になる」と、あくまで呼び込み政策を続けると言い放ちました
倉元市議は、福岡市では大企業の内部留保などは増え続けているが、家計の可処分所得は一世帯当たりでみると減っていることを指摘。
市長が言う「成長の果実が市民生活に振り分けられ」るということはなく、市長のこの12年行ってきた施策は、街を壊し、市民の困難に背を向け続けて生活を壊したというのが実態であると突きつけました。そして、市長が進めてきた大型開発、インバウンド推進を改めて、中小企業を大切にする地域循環型の経済へ切り替え、暮らし、福祉、教育が優先される市政に変えなければ、市民生活は向上せず、市政の発展もままならないと指摘。その上で、これまでの市政方針を変えようという気がないならば、市長選挙に出馬するべきではないと迫りました。
市長は全く考えを改めようとせず、自身の進退については明言しませんでした。倉元市議は、市長選挙で幅広い市民と野党の共闘で、市民による市民のための政治を実現するために奮闘すると宣言しました。
以上