人工島の特別扱い、下水道料減免廃止、給食センター用地問題を厳しく追及
2018年2月19日、福岡市の2月議会が始まり、日本共産党から倉元達朗市議が議案質疑に立ち、人工島の特別扱い、生活保護世帯の下水道料減免廃止、給食センター用地問題を取り上げました。
人工島問題では、みなとづくりエリア第4工区第1期分譲区画で分譲が決まっている日新と横浜冷凍からの代金収入が今年度予算化されていましたが、土地売買契約が今年度末までに結ばれないことになり、33億9700万円が予定通り入ってこないことを追及しました。
延期の理由は企業側の「事業計画の軽微な変更」などであることが質疑で明らかに。民間同士の取引では考えられないわがままが通っている原因が、公募要綱で引き渡し時期も明記せずに分譲決定をしている市の姿勢にあることが鮮明になりました。
倉元市議は、この区画の分譲予定企業6社すべてが立地交付金の拡充期の〆切ぎりぎりに「滑り込み申請」している事実を指摘し、同じエリアでは分譲予定決定日から土地引き渡しまで平均127日(最長でも270日)しかなく、今回730日(2年)もかかっているのは「極めて異常」であり、立地交付金の拡充期限に合わせたために不自然に長くなっていると批判しました。さらに、同区画の土地が平米単価10万円程度で採算(2004年の事業計画では13万円を見込む)を大きく割り込んでたたき売りされている実態を突きつけました。
結局人工島の土地があまりにも売れないため、赤字の安値にした上で、さらにボーナスの交付金で釣って、ようやく売っているのが現状であり、人工島事業は失敗だったのではないかと追及。同事業の特別扱いをやめるよう迫りましたが、港湾空港局長は「今後とも事業を推進する」と無反省な姿勢を示しました。
生活保護世帯の下水道使用料の減免が廃止されましたが、支払い通知が保護世帯に送られ、うち2人の受給者が「納得できない」として支払いを拒む不服審査請求をしました。今回この請求をめぐる諮問が議会にかけられました。
倉元市議は、審査請求を「棄却すべき」との意見書をつけた審理員が、支払い通知をした市側と同じ立場に立つ市職員であり、審理の公平性・客観性が保てていないと批判。外部の弁護士を審理員にしている他の政令市のケースを紹介しました。さらに、行政不服審査法では行政処分の「違法又は不当」をチェックすることになっているのに、審理員は、支払い通知が違法かどうかという「違法性」だけを調べて、減免廃止が政策上妥当だったかどうかという「不当性」については、影響調査などもせず、まったく検証していないずさんなものだったことを浮き彫りにしました。
倉元市議は、請求を起こした保護受給者が減免廃止によって週4回の風呂をやめシャワーにせざるをえなくなり、体臭がひどくなるまでシャワーを使わない状況に追い込まれた別の保護受給者もいると告発。「生存権を脅かす事態だ」と警告し、「請求を認め、減免を復活すべきだ」とただしましたが、中園副市長はまともな根拠も示さず、「(請求)棄却が相当だ」とし、減免の復活も「考えていない」と冷たく言い放ちました。
第3学校給食センター用地の選定をめぐる疑惑については、これまでにも日本共産党が2016年と2017年に議会で取り上げています。
今回、この土地取得の議案が提出されました。
倉元市議はまだ契約も結ばれていないのに、教育委員会が「事業主体」になって私企業(アスミオ.)の土地造成を指揮している異常な便宜のはかりぶりなどを追及。「疑念は晴れていない」として計画・議案の撤回を求めましたが、教育長は「全て適正」などと開き直りました。