倉元達郎 日本共産党福岡市議会議員

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議会報告

加齢性難聴者の補聴器購入に対する 公的補助制度の創設を求める意見書に対する賛成討論

議会報告

私は、日本共産党市議団を代表して、ただ今、議題となっております意見書案第  号、「加齢性難聴者の補聴器購入に対する公的補助制度の創設を求める意見書」に賛成して、討論を行います。
昨今、認知症が大きな社会問題となっており、本意見書案では難聴が認知症のリスクとなるという事実を冒頭に指摘しています。

先日政府が「認知症施策推進大綱」を決定しましたが、その中で難聴は認知症の危険性を高める可能性がある要素、いわゆる「危険因子」であることが明確に述べられております。2017年の国際アルツハイマー病会議において、専門家メンバーによって構成された「認知症予防、介入およびケアに関するランセット委員会」は「予防できる要因の中で、難聴は認知症の最も大きな危険因子である」という指摘をしました。「難聴と認知症は関係ない」という主張は、こうした専門的な知見を無視する議論だと言わねばなりません。

ところが、今の日本では、本意見書案にある通り、高度・重度の難聴でなければ補聴器購入の補助を受けることができません。高度・重度の難聴というのは両耳の聴力が70デシベルでないと聞こえないという状態で、これは、耳元で大きな声で話すレベル、40センチ以内で話さないと会話が理解できないほどのものです。つまり相当重度の難聴でなければ、公的な支援が受けられないのが日本の現状です。

これに対してWHO、世界保健機関では中等度、41デシベルから補聴器をつけることを推奨しています。41デシベルというのは、基本的には聞こえる、しかし時々人の言うことが音域によっては聞き取れないというレベルです。WHOがそのレベルでも早く補聴器を付けた方がいいと推奨しているのは、そのままにしておくと、音の認識が保てず認識できない音が増えていってしまう、という理由からであります。

慶應義塾大学医学部、耳鼻咽喉科の小川郁(かおる)教授は、わが党の「しんぶん赤旗」の取材に対し、「中等度、40デシベル以上の難聴と診断されたら、なるべく早く補聴器を使うことを検討しましょう。進行してからの使用では十分な聞こえの改善が得られません。両耳につけた方が、広い範囲の音が立体的に聞こえます」と述べています。

ドイツでは30デシベル以上であれば聴覚障害とされ、医師が必要と判断すればそれ以下でも補聴器の交付が可能です。
「加齢性による障害への補助を認めたらキリがない」と主張する人もありますが、とんでもない議論です。憲法第25条で「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と「すべての人が健康」でいる権利を定められ、その第2項では「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」と行政に義務を課しております。加齢性による体の機能の衰えに対する公的な支援を否定することは許されません。

特に補聴器は他の補装具に比べても、かなりの高額であり、公的な支援が欠かせません。意見書案にもある通り、高いものでは両耳で50万円にもなります。2019年日本補聴器工業会の調査によると、2018年の補聴器1台当たりの平均購入金額は約15万円で、収入が少なくなっていく高齢者あるいは年金生活の方々にとってはかなりの負担です。生活保護を受けている方の中には、もうあきらめてしまい、全く耳が聞こえない、あるいは、ほとんど聞こえないまま毎日を過ごされている方もいます。これが「健康で文化的な最低限度の生活」と言えるでしょうか。

日本と欧米を比べると難聴の人の割合は人口の1割前後とほぼ同じですが、補聴器の使用率は日本が14%なのに対し、イギリス48%、フランス41%、ドイツ37%、アメリカ30%と、日本とは倍以上の格差があります。公的な補助があるかないかが、明暗を分けていることは明らかです。
さらに「時期尚早だ」などという意見もありますが、すでに日本でも高齢者の補聴器購入に対して独自の補助を始める自治体が広がっており、東京23区では7つの区で制度をスタートさせております。うち5つは自民党・公明党が与党です。例えば葛飾区では、障害者手帳を持っていない65歳以上で、住民税非課税の世帯の方について、医師が必要と認めた場合には3万5000円を限度とした補聴器の購入費補助を行っています。県内でも粕屋町で制度を始めています。
「他の年齢層に対する差別になる」という意見にいたっては、もはや何としても補助をしたくないがための議論という他ありません。すでに福岡県をはじめ、ほとんどの県で軽度・中等度の難聴の子どもに対して補聴器購入費の助成事業が始められておりますが、こうした事業も子どもだけを優遇した差別的な制度だというのでしょうか。

難聴で困っている人が多い高齢者への支援を第一歩として、そこから全ての年齢に広げていけばいいだけの話です。現に、東京都の千代田区では公的補助に年齢の制限を設けておりません。
私ども日本共産党市議団がこの問題を取り上げたのは、市政懇談会での市民の意見や相談会での住民の要望が次々と伝えられたからであります。議員各位のご賛同を心からお願いし、賛成討論を終わります。

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